『時空の乱れなどによって、「本人が意図せず」に、過去や未来に移動してしまうこと』
⇒同時に空間(場所)を移動することもある。[時空(時間と空間)の乱れのためなど理由は様々]
他の類義語との違いは、「本人が意図していない」ことである。
「本人が意図していない」とは、偶発的な出来事が原因で過去や未来に行ってしまうということだ。偶発的な出来事とは、地震や竜巻などの自然現象、現代科学で解明されていない超常現象、事故などのことである。
上記を踏まえて「タイムスリップ」をより一般化すると次のようになる。
『偶然の出来事が原因で「たまたま」タイムトラベルの条件を満たしてしまい、過去や未来に移動してしまうこと』
最後に、突発的な出来事の例を下記に示す。
タイムスリップには、いくつか特性のようなものがある。
1「頻繁に起きない」の答えは、容易に予想がつくだろう。タイムスリップは、偶発的な出来事だ。つまり、頻繁に起きようがない。
2「元の時間軸に戻ることが難しい」の答えも容易に予想がつくだろう。
まず、1「頻繁に起きない」ということ。次に、1回目の時間移動と逆向きの時間移動をしなくてはならないこと。最後に、タイムスリップの原因が分からないこと。(原因が分かっても仕組みが分からない場合や仕組みが分かっても同じ状況が作れないなど様々である)
ちなみに、原因と仕組みを理解し、人工的な機械によって過去や未来に移動できるようになった場合は、「タイムトリップ」という
3「タイムトラベルの鍵がある場合が多い」は、上記二つと少し異なる。これは、主に物語を分かりやすくするために導入される場合が多い。具体的には、漫画「犬夜叉」(高橋留美子)の井戸[場所]・四魂のかけら[物]・日暮かごめ[人]、ゲーム「クロノトリガー」のアクセサリー[物]・マール[人]の組み合わせだ。
このように、タイムトラベルの鍵とは、タイムスリップの要因を作る「場所・物・人」の組み合わせである。つまり、タイムスリップの発動キーのことだ。主に、タイムスリップの理由付けに使われる。
タイムスリップ(time slip)は、直訳すると「時が知らぬ間に過ぎ去る」となる。(文法的には、by , away, along, on,pastなどをともなって使う)。slipの原義は、「なめらかな」。
言葉の意味でイメージすると、『時間が過ぎ去ってしまい「未来」に行き着いてしまう』になりそうだ。けれど、タイムスリップは「過去へ」行く物語で多く使われているようだ。実際、本稿で紹介している作品も過去に行く作品ばかりである。
これは、物語の作りやすさのためではないだろうか。詳しくは、別記事を用意する予定だ。
タイムクエイク(time quake)は、タイムスリップの関連用語で直訳すると「時震」となる。地が震えることを「地震」と言うように、時が震えることを「時震」と例えている。
タイムクエイクは、主にタイムスリップの原因として語られる。具体的には下記の通りだ。
地震が起きて断層ができるように、時震が起きて時間流(時間の流れ)の断層ができる。その断層に落ちることによって、未来や過去にいってしまう。
また、漫画「大長編ドラえもん のび太の日本誕生」では『時空乱流
』という表現を用いている。物語の中でドラえもんは次のように時空乱流について次の説明している。
「時空間の乱れが……、いわばブラックホールのようなおとし穴をつくるんだ」(藤子・F・不二雄,(1989),漫画「大長編ドラえもん のび太の日本誕生」,p64,小学館)
とっても分かりやすい表現である。さすが、藤子・F・不二雄先生である。